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インフォメーション : 2024年7月

腹腔鏡による肝臓生検

肝臓は上腹部横隔膜に面している腹腔内で最も大きい臓器です。
その機能は、栄養を合成・貯蔵したり、胆汁などの消化酵素生成・運搬、解毒機能など様々です。
最近では、2歳くらいの若齢でも肝臓の数値が高い例にも意外と遭遇することがあります。
肝臓の病気は様々で、腫瘍関連、銅の代謝異常などの代謝疾患、感染症、肝臓線維症など多岐に亘ります。
その際に原因を究明する方法が肝臓生検(病理検査)です。
通常は、胸骨下位の剣状突起から臍部まで開大します(下写真)。
当院では腹腔鏡を用いて行うため、術創が非常に小さくなるうえ(1㎝くらいが3つ)、侵襲が小さいため日帰りでの検査が可能です。

腹腔鏡では臓器を拡大して見ることが可能です。
腹腔鏡では肝臓、腎臓、腸、胃、すい臓、リンパ節などの生検を行うことが出来ますので、非常にメリットが大きいといえます。

青線が通常の切開ライン


17歳猫の尿閉

オス猫と異なりメス猫の尿道閉塞は稀です。
理由として、メス猫の尿道はオスよりも内腔が大きいため詰まりにくいためです。
今回17歳の高齢猫さんが、骨盤腔内尿道部に結石を詰まらせたことで急性腎不全に至り緊急対応しました。
腎臓マーカーであるBUNが>140㎎/㎗、クレアチニンが15.3㎎/㎗と非常に高値で、高カリウム血症を呈しておりました。食欲元気も廃絶しており、状況は非常に悪い様子でした。

また、本ケースでは閉塞部位が骨盤腔内であり、奥深い部位にあるために非常に解除がしにくい場所でした。結石自体のサイズは約10mmほど、レントゲンでは6個程度です。
暫くの入院管理ののちに、無事に膀胱内および骨盤腔内尿道の結石摘出手術を終えました。
術後の腎臓数値も安定化して、無事に退院となりました。
元気な姿で帰って頂くとうれしいですね、感謝です。

摘出した結石です、大きいですね。
猫は尿道のみならずの尿管でも閉塞が問題となっております。
おうちの猫ちゃんで最近尿検査、超音波検査をしていないという方、スタッフまでご相談ください。



新しい血液検査機器

本日は、新しい血液生化学検査機器の搬入でした。

この機器は必要な検体量がわずか100μlと少なく、ウサギ・モルモットなどのエキゾチックアニマル、幼齢の子犬・子猫、脱水を認める状態の悪い症例などでも用いることが出来ます。

最近はエキゾチックの患者様も増えてきておりますので、本機が活躍してくれることを願っています。
頑張らないとですね!

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