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インフォメーション : 2023年7月

脱毛症へのサプリメント

猫の脱毛症のcase reportです。
そう多くはありませんが、猫の痒みのない、皮膚炎のない、鱗屑のない、きれいな脱毛症のこが見られます。
今回は、5-アミノレブリン酸(5-ALA)の効果が見られたとの報告がありましたのでお知らせします。

本ケースでは5-ALA(5㎎/head1日1回)投与前と投与後3か月の比較ですが、全身の被毛状況が改善し、ラフや指間の増毛が認められたとのことです。
5-ALAについてはマウスと犬との被毛改善の報告がありますが、機序がまだ不明な点が多くあります。
また、猫の換毛についても分からないことがあり、本ケースと5-ALAとの直接的影響も定かではありませんが、5-ALAはミトコンドリア機能を活性化することから発毛に影響をしたとも考えられます。
私個人的にも、昔類似したケースに遭遇したことがありますので、その当時使用したらどうだったのであろうかと思いを馳せてしまいますね。
ワンちゃん猫ちゃんで、似通ったケースがあればご相談ください。

歯が割れた!

歯が割れることを破折といいますが、原因は硬いおやつ、事故(交通・落下・喧嘩)です。おやつの内訳は蹄、デンタルガム、骨、乾燥おやつ、おもちゃ、ガムの順番に多いです。
多くが飼い主さんも知らない間に発生しますので、歯磨きの際に気づかれるとか、動物が折れたほうを気にしていることで気づきます。
対応としては、レントゲンでの歯根周囲の病変の有無、感染状況、露髄の状況などで考慮して、保存修復か抜歯かを判断していきます。
case1)1歳齢の平板破折ですが、割れて時間がたっていないため、患部がきれいであり、露髄もなく感染もありません。

割れた部分が動くたびに歯ぐきから出血が見られ、本人もこちらで噛むのを避ける様子のため早めに修復します。

case2)9歳齢で歯石付着を伴う両側性の平板破折ですが、経過時間も長く露髄をしていたうえ感染も伴っておりましたが、幸い歯根周囲の病変がありませんでした。原因は蹄のおやつとのことです。
このこは蛋白漏出性腸症疑いのため胃・小腸・結腸からの内視鏡生検も行いました。

破折した歯片を剥し、断髄・洗浄・根管充填と進めていきます。



アイオノマーセメントを充填して、最終的にレジンで修復し、表層を研磨して終了となります。

おやつとして販売されている物の中には、歯にとって脅威となるものもありますのでご注意ください。



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